前回のタイ文字講座「8. 短母音字12種を練習しよう」までで、中子音と母音を一通り勉強しました。
特に中子音字9種は第5課から毎回練習してきているので流石にもう何も見なくても発音記号には直せるようになっていると思います。
さて、今回から中子音以外の子音を勉強していきましょう。読めるようになる文字が一層増えるという事ですね!
はりきっていきましょう。
ネット検索で直接このページに来た人はぜひ「はじめに、初学者の方へ。」のページから読んでいただければと思います。
そこでは「タイ語マスターまでのロードマップ」や、「タイ語をマスターするまでに、まず何をすべきか」をまとめています。
なおタイ文字講座の目次はこちらです。
「中」の次は「高」なんだね!
そうだねぇ。ちなみに「高」の次は「低」だよ。555
タイ語でも「高中低」に当たる意味の言葉を使って文字を分けているから、そのまま日本語にしたようだね。日本人が勝手につけた名前ではないんだよ。
高子音:อักษรสูง (ʔàk sɔ̌ɔn sǔuŋ)
文字:อักษร (ʔàk sɔ̌ɔn)
中央:กลาง (klaaŋ)
高い:สูง (sǔuŋ)
今回の目標
今回は高子音字に、長母音、複合母音、余剰母音をつけた場合の発音を勉強します。
短母音や声調符号に関しては次回勉強とします。
高子音字10種
という事で、まずは高子音字10種を見ていきましょう。
見たことがある文字の組み合わせなどではなく、全く新しい文字になります。
ข ฉ ถ ฐ ผ ฝ ส ศ ษ ห
書き順を覚えるところで、一度書いてるはずだけど全然覚えてないなぁ
そんなもんだよ。そんな簡単に覚えられたら、逆にびっくりだよ。
子音44文字内の高子音字
まずはこれまで勉強した中子音字9種と一緒に全体を見てみましょう。
水色が今回勉強する高子音字になります。
これで半分は覚える事になるね!それにしてもいろんなところに色がついてて見にくいし覚えにくいなぁ。
タイ語の子音44文字は、順番が決まってるけど、中高低は順番に並んでないからね。
高子音字の発音と声調
さて、表をじっくり見ていただければ分かりますが、高子音の特徴は何と言っても「初めから声調が上声(V)になっている」ところです。
例えば「 ข 」のところですが、「 ขอ 」で「 khɔ̌ɔ 」という発音になるのです。
上記の表は「 อ 」を使った例ですが、例えばこれまで勉強してきた複合母音や余剰母音と組み合わせると下記のようになります。
ห + เ- ีย = เหีย ( hǐa )
そしてさらに声調符号や短母音で促音節になると、、、。
いやいやいやいや。勘弁してよ。
いろいろ変化があるんだけど、一気にやると混乱しちゃうから、じゃあまずは高子音を覚えるところから行くことにするね。
無気音と有気音
さて、これまで触れてきませんでしたが、タイ語の発音には無気温(むきおん)と有気音(ゆうきおん)という発音上の区別があります。
そしてその違いを発音記号上で書き分けるのが「h」があるかどうかなのです。
確かに高子音字には「 khɔ̌ɔ 」みたいにhが入ってるね。
そうそう、この「h」が有気音の目印だよ。中子音は全部無気音だからこれまで出てこなかったんだよ。
へぇ。。。で、実際どう違うの?
有気音というのは息が漏れる音という風に説明される事が多いのですが、私もそのような解釈をしています。音に関わるところなので、詳しくは発音講座の方で解説していきますが、「 kɔɔ 」 と「 khɔɔ 」はこの概念を知らない日本人にはまず聞き分けられません。
ただしタイ人には違う音に聞こえており、日本人がタイ語を話す上で大きな障害の一つとなっています。
とはいえ発音記号上での無気音と有気音の区別は「 h 」を書くかどうかだけです。
これらの音はいくら私達日本人には同じような音に聞こえても、きちんと言い分けなければなりませんので、間違ってもこの「 h 」を面倒だからと省略しないようにしましょう!
同じ発音の高子音
そういえば高子音も同じ発音の文字があるね
2つある「 ถ ฐ ( thɔ̌ɔ ) 」の文字と、3つある「 ส ศ ษ ( sɔ̌ɔ ) 」の文字だね。
これらの文字は発音記号が同じである事からも分かる通り、全く同じ発音です。
中子音字でも「 ด と ฎ 」 、そして「 ต と ฏ 」は同じ発音でしたがそれと同じです。
これらの文字は単語によってどの文字を使うかが決まっており、それぞれ覚えるほかありません。
日本語も同じ発音でもどの漢字を使うかで全く意味が違ってきますが、それと同じようなものです。
高子音字10種と母音(平音節)の練習
今回も160問で問題を作りました。
まずは高子音字に慣れるためにも長母音・複合母音・余剰母音で、声調符号はつけない組み合わせを練習していきます。
これまで勉強してきた組み合わせも復習のためドリルに出て来るので気をつけてください。
今回練習する内容を使った実際の単語
今回練習する組み合わせを使った単語には以下のようなものがあります。
ผ + – ี = ผี (phǐi) おばけ、精霊(名詞)
ห + -อ = หอ (hɔ̌ɔ) 寮、ホール(名詞)
ฝ + -า = ฝา (fǎa) 蓋(名詞)
ส + เ – ือ = เสือ (sɯ̌a) 虎(動詞)
タイ語で「できもの」の事を「 ฝี (fǐi) 」と言います。私事ですが、お尻にできもの(粉瘤)ができてタイの病院で切除してもらったことがあります。日本の生協の保険に入っていたので、帰国した際に治療費用は請求できました。
ちなみにニキビは「 ฝี (fǐi) 」ではなく「 สิว (sǐw) 」と呼びます。
ドリルの使い方
思い出せないところや分からないところは、空白のままで進むのではなく、発音記号の表等をみて正解を埋めながら進んでください。
発音記号からタイ文字に直す際のdの音は「ฎとด」の両方を、 s は「ส とศ とษ」、ayは「ไ- と ใ-」など、すべての組み合わせを解答に記入してください。
ฤの発音はいくつかありますが、最も基本的な発音であるrɯ́を使ってください。
「タイ文字入門講座 – 高子音字の練習」をダウンロード
練習編→ 9_renshu_koshiin_v23 (180KB)
回答編→ 9_kaitou_koshiin_v21 (183KB)
お願い事項
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次は高子音字と声調について勉強していきます
如何でしたでしょうか?今回の目標である
は無事達成できましたか?
高子音字は声調符号なしでも上声となるため、初めは戸惑うかもしれませんが、すぐに慣れてきます。
次回は今回勉強した項子音字10種に声調符号をつけたり、短母音との組み合わせで促音節にしたものを練習していきます。
次回で高子音字も終わりです!どんどん行きましょう
以上、「9. 高子音字10種の練習をしよう」でした。