前回のタイ文字講座「11. 低子音対応字13種を練習しよう」までで、低子音を約半分練習しました。
本項では「低子音字」の残り半分を練習して低心音字全てとなじみになっていただきます。
ネット検索で直接このページに来た人はぜひ「はじめに、初学者の方へ。」のページから読んでいただければと思います。
そこでは「タイ語マスターまでのロードマップ」や、「タイ語をマスターするまでに、まず何をすべきか」をまとめています。
なおタイ文字入門講座の目次はこちらです。
今回ですべてのタイ文字子音字を一通り勉強したことになります。
感慨深いねぇ。
今回の目標
前回は対応字でしたが今回は単独字です。
日本人向けタイ語の教科書には単独字と書いているものと独立字と書いてあるものがありますが、タイスタディではタイ語での呼称から鑑みた際、「単独」という呼び方がより近いのではないかと思い、単独字という呼称を採用しています。
なおそれぞれの語をタイ語で書くと下記のようになります。
対応字: อักศรคู่ (ʔàksɔ̌ɔn khûu)
単独字(独立字):อักสรเดียว (ʔàksɔ̌ɔn diaw)
低子音単独字(独立字)10種
今回勉強するのはこの10文字です。
ง น ณ ม ย ญ ร ล ฬ ว
前回勉強した対応字は「高子音字に同じ発音の文字がある低子音字」でしたが、今回勉強する「単独字」は、中子音にも高子音にもない新しい発音になります。
低子音独立字10種の発音記号
図にまとめると下記にようになります。
一番右の「ŋ y n m r l w」という7種類の音が低子音単独字の音という事です。
「 ŋ 」って何?
アルファベットの「 n 」の右下が下に伸びて少しだけクルっと戻ってきたような字だけど「n(ン) 」とか「 g (ゴ) 」に似た発音の音で。カタカナで書くと「ンゴー」みたいな感じかな
実際にどんな発音かと言われると字での説明は非常にむつかしいので発音の項(作成中)を参考にしていただければと思います。
それぞれの発音を無理やり日本語表記すると下記のようになります。
「r」も「l」も日本語だとローになっちゃうんだね。
英語で日本人が「L」と「R」の音が苦手なのと同じだね。そういう意味ではタイ語には別の文字があるから、タイ人は「L」と「R」を間違えないって事だね。
低子音独立後の発音で難しいのは「ŋ」と、「r」「l」の区別でしょうか。
実際の発音はむつかしいですが、文字を発音記号に直すのはむつかしくも何ともありません。
とりあえず発音記号に直せるようにして、どうやらそういう発音があるらしい、もしくは、他の似た音と区別ができればそれで構いません。
低子音単独字の声調
低子音単独字の声調は、低子音対応字と同じく平音節で声調符号なしでは平声となります。
次回より短母音をつけた場合や声調符号をつけた場合について勉強しますので、まずは平音節で声調符号なし平声と覚えておいてください。
発音記号について
「L」の小文字は、数字の「1(数字のイチ)」のように見えてしまうので、実際に字で書くときは筆記体で「 ℓ 」と書くなり、すこし工夫したほうが良いかもしれません。
ただしタイ文字の発音記号というのは、誰か他人と意思疎通するために使う事はなく、自分でタイ文字の発音をスムーズに行うための一時的な表記のため、自分が分かればそれで良いのです。
自分が分かりやすいように記入しましょう。
低子音単独字13種の練習
前回と同じく低子音単独字となじみになってもらうという目的で、94問のドリルを作りました。
主に低子音単独字と母音、複合母音、余剰母音の組み合わせですが、低子音対応字を含め過去に勉強した内容も少し混ぜてあります。
今回練習する内容を使った実際の単語
これまで練習してきた事で発音記号に直せる単語には以下のようなものがあります。
ง + า = งา (ŋaa) 胡麻(ごま)、象の牙
ง + – ู = งู (ŋuu) 蛇
ม + – ือ = มือ (mɯɯ) 手
ร + เ – ื อ = เรือ (rɯa) 船
「 ยา (yaa) 」という単語は薬屋さんの看板で良く見かける単語です。でかでかと「ยา 」と書いてあったりします。タイにお住まいの方は薬屋さんで観察してみると良いでしょう。
そのほかBTSの駅としておなじみの「 นานา (naa naa) 」も今回習う低子音単独字と長母音の組み合わせです。
ドリルの使い方とダウンロード
下記、練習のPDFファイルをダウンロードし、印刷してご利用下さい。印刷した練習のドリルに、実際に書き込むことで最大の練習効果が得られます。
思い出せないところや分からないところは、空白のままで進むのではなく、「タイスタ特製の総括表」や、その他発音記号表等をみて正解と思われる文字を埋めながら進んでください。
答えのPDFはパソコンや携帯上で確認しても構いませんし、印刷しても構いません。
答え合わせが終わり、内容に納得ができましたら、もたもたせずに次の項に進みましょう。今後も復習の機会を設けていますし、完璧にしてから進もうとすると途中で挫折しかねません。
練習編 → 12_renshu_teishiin_tandokuji_v20 (261KB)
解答編 →12_kaitou_teishiin_tandokuji_v22 (234KB)
お願い事項
間違いではないかと疑問がありました際は、当ページ下部のコメント欄、フェイスブックページ、もしくはツイッターでご連絡いただけますと幸甚です。
その他、ユーチューブチャンネルへのコメントなども非常に励みとなりますので、遠慮なくお送りください。
オラに元気を。
次は低子音字と声調符号を練習していきます
今回の目標、
は達成できたでしょうか?
タイスタ特製の問題集(ドリル)をきちんとやっていれば、大丈夫だと思います。
暗記をする必要はありません。総括表を見ながらでも良いので仕組みを理解してドリルを終えたらどんどん進んでください。
とうとう子音44字を全て一通り練習しましたが、次回は低子音字に声調符号をつけたり、短母音との組み合わせで促音節を作っていきます。
これで発音記号に直せる文字がぐっと増えてきます。
次回もお楽しみに!
以上、「12. 低子音単独字10種を練習しよう」でした。