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17. 二重頭子音字と疑似二重頭子音字、末子音字の一字再読を勉強しよう

前回のタイ文字講座16. 末子音による母音字の変化を覚えようで、末子音字についての勉強は終わりましたが、今回は子音について最後の勉強となる二重頭子音、そして末子音字の一時再読について勉強します。

今回の勉強が終われば「総括表の項」に書いてある事はすべて一通り学んだことになります。


ネット検索で直接このページに来た人はぜひ「はじめに、初学者の方へ。」のページから読んでいただければと思います。

そこでは「タイ語マスターまでのロードマップ」や、「タイ語をマスターするまでに、まず何をすべきか」をまとめています。

なおタイ文字入門講座の目次はこちらです。


ブルー

今回で子音が終わりってホント?また、終わったと見せかけてホニャララ子音とかホゲホゲ子音とか出してこないよね?

だいさん

本当に終わりだよ。「タイ文字入門講座の目次」を見ても、もうこれから先に子音を題名にしたものはないよね?

日本語には子音や母音の使い方がたくさんあり、「はじめに」では簡単だといった割には複雑だと閉口されているかもしれません。

しかし、ここまで来たならもうあと少しです。

もうすでに多くのタイ語は読めるようになっているはずですが、もうあと少し頑張りましょう。

 

今回の目標

今回の目標は下記です。

二重頭子音字と疑似二重頭子音字の概要を理解して、発音記号に変換できるようになる。
末子音字の一時再読という規則を理解する。

今回は二重頭子音の練習です。これらは頭子音が2つ並んだだけなので特にむつかしくないのですが、末子音字の一時再読という面倒なルールがありこれらも二重頭子音のルールを使うので一緒に勉強します。

 

二重頭子音字とは

二重頭子音とは

頭子音字を2つ並べて、これを1つの音として発音する頭子音です。
ブルー

わけワカメ

例えば「ควาย」という単語。これまでのタイ文字入門講座で勉強してきた規則では発音記号に直すことができない単語です。

วาย」や「คาย」であれば、発音記号に直せますが、「ควาย」なのです。

これは今回勉強する2重頭子音字を使っているためで、「คว」の2文字を1つの頭子音字としてみなします。

「คว」は「khw」という音の二重頭子音字なので、「ควาย」を発音記号に直すと「khwaay」となります。「khw」の読み方はですが無理やり日本語で表記すると「クゥワ」といった感じです。

 

ただし、どんな子音字でも2つ並べて2重頭子音字を作れるわけではありません。

組み合わせが決まっているので、これから勉強していきます。

 

二重頭子音字15種

二重頭子音字の組み合わせは下記です。

1文字目は7種類、2文字目は3種類(ฤを入れると4種類)で、合計15種類の二重子音字が存在します。

良く見ると「 ก ข ค 」の3文字は「 ร ล ว 」のすべての組み合わせを持っている事に気づくと思いますが、この3文字は少なくとも覚えておいた方が良いでしょう。

並べ方を変えてみるとこのような感じです↓

 

書籍によっては「 กฤ 」なども二重子音字として扱われている事がありますが、この組み合わせはあまりないですし、発音も単語によって変わってくるため例外として今回は省きます。

なおタイ人は二重頭子音を11の音を作るという事で下記のように音で習います。(便宜上ローマ字で書いてますが、もちろんタイ人はローマ字では習いません)

タイ語では二重頭子音字の事を「อักษรควบกล้ำแท้ (ʔàk sɔ̌ɔn khûap klâm thɛ́ɛ)」と言います。

 

二重子音字の声調

上記の表では緑は中子音字、水色は高子音字、ピンクを低子音字として色分けしていますが、二重子音字は1文字目の字類に従って声調が決定されるため二重子音字にも色付けをしています。

だいさん

全ての組み合わせを完璧に覚えて暗唱できるようにする、、などというような事は必要はありません。

k (kh) や p (ph) 、 t の音は「r, l, w」と結びついて二重頭子音となる事があると知っておくという程度で大丈夫です。

 

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二重頭子音字の例

ไกล(遠い):klay

余剰母音のため末子音はつきません。よって頭子音字に2重頭子音字だと分かります。1文字目が中子音字の「ก」なので、発音は「klay」となります。

เปลียน(変わる):plian

こちらは ปล +เ – ีย + น という組み合わせです。頭子音1文字目が中子音「ป」なので、声調は平声で発音は「plian」となります。

 

疑似二重頭子音字とは

上記で出てきた二重頭子音字は「ฤ」を入れなければ、上記15種の組み合わせしかありません。

疑似二重頭子音と言って二重頭子音字のような働きをする組み合わせがあります。

例えば、

ตลาด(市場)」という単語ですが、「ตล」という二重頭子音字にありそうですが、存在しません。

この場合、「ตล」は疑似二重子音となり、1文字目の頭子音字の後に「a」を入れます。

1文字目は「」なので、「ta」 

2文字目以降は「ลาด (làat) 」となります。

声調に関してはこの下で解説していきます。

 

タイ語では疑似二重頭子音字の事を「อักษรควบกล้ำไม่แท้ (ʔàk sɔ̌ɔn khûap klâm mây thɛ́ɛ)」と言います。

 

疑似二重子音の1音節目の声調

日本人向けの教本には、疑似二重子音字の一音節目の母音は声調なしの「a」とだけ記載しているものが多くあり、この理由は1音節目は半母声(軽声や半音とも言われることがあります)となるためという説明がされています。

対して英語でタイ語を解説している「Paiboon Publisher」の本では一音節目は一文字目の頭子音に従った声調がついていました。要するに一文字目が中子音字か高子音字であれば「à」、低子音であれば「áとなっています。短母音の声調ルールに従っているという事です。

ตลาด」で解説すると、 1文字目は中子音字の「ต (t)」となるので、「tà」となります。 

 

タイでの生活で、タイ文字の発音ルールだけでは、単語の発音が1つに決まらない場合、要するに例外的な読み方をするような単語が出て来る場合があります。

こういう場合タイ語でも日本語の読み仮名に当たる、発音の説明がつく事があります。例えば下記の言葉。こちらはワットポーの正式名称で無理やり日本語で書くと「プラチェートゥ・ウィモンマンカララーム」となります。

タイ人も読み方に迷うためイタリックで横に読み仮名がふってあります。

วัดพระเชตุพนวิมลมังคลาราม (/พระ-เชด-ตุ-พน-วิ-มน-มัง-คะ-ลา-ราม /)

上記のようにタイ語でふってある読み仮名をそのまま読んだ場合、一音節目の後ろにある半母音には声調第一頭子音字に従った声調がつく事になりますが、実際にはその声調で読まれていない事から、タイスタディでも1音節目の半母音には発音記号を入れない事にします。

 

1文字目の後ろに入る「a」の音をタイ語では「กึ่งเสียง (kɯ̀ŋ sǐaŋ)」と言います。半分の音という意味になりますが、この音は軽く発音されるため日本語の教本では声調記号をつけていないものがほとんどです。事実、発音の際はこの部分の声調はタイ人もあまり気にしていないようです。

また「ละคร (lá khɔɔn)」のように短母音の「 a 」が入る単語も日常では ( la khɔɔn ) と呼ばれる事が多いです。もちろん「ละคร (lá khɔɔn)」と読んでも問題ありません。

 

疑似二重子音字の2音節目以降の声調

2音節目の声調は2文字目が低子音単独字であれば声調は1文字目に従い、それ以外の場合は2文字目に従うという規則があります。

ตลาด(市場)」であれば2文字目が低子音単独字であるため声調は1文字目の中子音「 」に従います。

そして母音は、長母音の「 – า 」、末子音が促音節を作る末子音の「 」となるため声調は「 \ (低声)」となるため、「 ตลาด(市場)」の発音記号は発音記号は「 ta làat 」となります。

 

2文字目が低子音単独字でない場合้の例えとして、「 สบาย 」という単語であれば、声調は1文字目ではなく、2文字目の中子音字「 」に従います。

その後ろは長母音の「 – า 」と平音節を作る末子音の「 」となっているため発音記号は「 sa baay 」となります。

 

ブルー

2文字目が低子音字だからとか、そんなところを毎回見ないといけないの?。

規則上は2文字目がどの字類かをみて判断するのですが、実際は単語を覚える時に口が勝手に声調を覚えてくれます。

ですので一応こういうルールであるという事を覚えればそれで大丈夫です。

 

疑似二重頭子音字の例

สนุก(楽しい):sa nùk

二重頭子音であれば2文字目が「r, l, w」のいずれかなのでその時点で二重頭子音ではないと分かります。

その他2文字目「 น 」に短母音の「 – ุ 」がついていることから疑似二重頭子音だろう分かります。そして2文字目が低子音字単独字のため、2音節目は1文字目の中子音字に従う事になります。よって2音節目の声調は低声となります。

ขยาย(広がる):kha yǎay

二重頭子音であれば2文字目が「r, l, w」のいずれかなのでその時点で二重頭子音ではないと分かります。

2文字目は低子音字単独字のため、2音節目は1文字目の高子音字に従う事になります。よって2音節目の声調は上声となります。

 

だいさん

みんな大好き、おいしいという意味の「อร่อย ( arɔ̀y )」もこのルールを使っています。

第一頭子音字を「」と理解すれば分かりますね!

ブルー

たしかに!

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末子音字の一時再読とは

タイ語には末子印字を2度読む事がある単語があります。このルールを使っている単語に関しては覚えるしかないのですが、疑似二重頭子音字の声調ルールを使うためこちらで説明しておきます。

日常生活で出て来る単語もこのルールを使っていることが結構多いため、成り立ちは覚えておきましょう。

 

例えば「พัฒนา:発展する」という単語ですが、一見すると「พัฒ (phát)」と「นา (naa)」の2つの単語が並んでいるので「phát naa」と読んでしまうかもしれません。ですが、この単語は末子音字の一字再読を使っており「พัฒนา(phát tha naa)」という発音記号になります。

タイ語は英語のように隣の単語との間にスペースは入りません。

では、どうやって末子印字の一時再読か別々の単語が並んでいるだけかを見分けるか?という問題ですが、これは覚えるしかありません。T-T

このように、タイ語にはどちらの音にでも取れてしまうような表記が結構あります。

 

末子印字の一時再読や疑似二重子音の規則を使う言葉はパーリ語・サンスクリット語からの借用した単語です。単語を覚え始めると、いかに多くの単語が借用語かという事が分かると思います。

 

末子音字の一時再読を使う単語の例

วิทยุ (wít tha yúʔ):ラジオ

「วิท と ยุ」や「วิ とทยุ」など別々の単語と理解して読む事も可能ですが、真ん中の文字 ท を一字再読し「wít tha yúʔ」という発音になります。

ちなみにバンコクにある日本大使館前の通りは「วิทยุ 通り」という名前の道です。

มัธยม (mát tha yom):中間の

「มัธ」と「ยม」という別々の単語が並んでおり「mát yom」であると判断してもおかしくない単語ですが、左から2文字目の「ธ」を再読する単語です。

「โรงเรียน:学校」という言葉につけて、中学校と高校をタイ語で「โรงเรียนมัธยม(rooŋ rian mát tha yom)」言います。

 

二重頭子音と疑似二重頭子音、末子印字の一時再読の練習

今回はドリルを73問用意しました。

講座も終盤に入ってきたため、今回より実在する単語かそれに準じた単語のみを使用しています。

タイ語を発音記号に直してください。

 

今回練習する内容を使った実際の単語

今回練習する組み合わせを使った単語には以下のようなものがあります。

ปล + – า + ก = ปลา (plaa) 魚
คร + – ัว + ป = ครัว (khrua)  台所
รัฐ + ฐบาล =  rát tha baan 政府

ปลา 」と言えば「 」を代表する言葉で、魚という意味です。

日本では魚の名前にわざわざ「さかな」という文字は入りませんが、タイ語で魚の名前は「 ปลากด(ナマズ)」  「 ปลาฉลาม(サメ)」という風に、基本的に「 ปลา 」という言葉が入ります。

日本語でも「鯰」や「鮫」という風に、漢字で書くと魚編がつくのと同じ感じでしょうか。

また「 ครัว(台所)」等、日常生活でも良く使う言葉に使われているように、二重頭子音字も疑似二重頭子音字も日常使う単語の中で頻出する組み合わせです。

 

ドリルの使い方とダウンロード

下記、練習のPDFファイルをダウンロードし、印刷してご利用下さい。印刷した練習のドリルに、実際に書き込むことで最大の練習効果が得られます。

思い出せないところや分からないところは、空白のままで進むのではなく、「タイスタ特製の総括表」や、その他発音記号表等をみて正解と思われる文字を埋めながら進んでください。

答えのPDFはパソコンや携帯上で確認しても構いませんし、印刷しても構いません。

答え合わせが終わり、内容に納得ができましたら、すぐに次の項に進みましょう。

この段階で二重頭子音字の組み合わせを完璧に覚える必要はありません。タイ文字の基礎を終え、実際に単語を覚えていく過程でいつの間にか覚えていきますので心配はいりません。

「タイ文字入門講座 –低子音字と声調の練習」をダウンロード
練習 → 17_renshu_nijyu_toshiin_v31 (281KB)
解答 → 17_kaitou_nijyu_toshiin_v31 (286KB)

 

お願い事項

タイスタのドリルは「だいさん」が個人で作成しており、間違いは見つけ次第すぐに修正して更新しておりますが、間違いではないかと疑問がありました際は、当ページ下部のコメント欄、フェイスブックページ、もしくはツイッターでご連絡いただけますと幸甚です。

その他、ユーチューブチャンネルへのコメントなども非常に励みとなりますので、遠慮なくお送りください。

だいさん

リクエストもお待ちしています。

 

次は促音節を作る末子音字について練習します

いかがでしたか、今回の目標

二重頭子音字と疑似二重頭子音字の概要を理解して発音記号に変換できるようになる。
末子音字の一時再読という規則を理解する。

は達成できましたでしょうか。

今回でほぼタイ文字の基礎は終えましたが、次回から良く使われている例外的な規則、特例とでも言えばよいでしょうか、そのような規則を勉強していきます。

ブルー

二重頭子音字。なかなか覚えるのは大変だね。

だいさん

そんなに頑張らなくても良いよ。だいたいで良いからドリルをやってそのまま進んじゃってください。

ブルー

あなた、とにかく進めたがるよね

だいさん

今後タイ語の単語を覚えていくようになるけど、その時に、そういえばそんな規則あったなぁと、思いだして1つ1つものにしていけば良いんだよ。

 

ブルー

次回もお楽しみに!

以上、「17. 二重頭子音字と疑似二重頭子音字、末子音字の一字再読を勉強しよう」でした。

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