前回のタイ文字講座「4. 長母音9種と発音記号を練習しよう」までで、長母音9つと子音2文字(กとอ)を覚えてきました。
「kaa」という発音記号をタイ語にするなら「กา」と変換できるようになっているようなら、大丈夫です。
前回は母音でしたが、今回は子音を。その中でも中子音(チュウシイン)と呼ばれるものを9つ覚えましょう。
ネット検索で直接このページに来た人はぜひ「はじめに、初学者の方へ。」のページから読んでいただければと思います。
そこでは「タイ語マスターまでのロードマップ」や、「タイ語をマスターするまでに、まず何をすべきか」をまとめています。
なおタイ文字講座の目次はこちらです。
中子音字(ちゅうしいん)って何それ?おいしいの?
字だから食べれないよ。タイ語の子音42文字は中子音、低子音、高子音の3種類の字類とばれる分類があるんだよ。
素で返してくるね。で、それぞれどう違うの?
それはなかなかむつかしい質問ですなぁ。声調に関わってくるので、これは覚えるしかないんですよ。まあすぐに覚えられるよ。
なんか要領を得ないなぁ
正直いきなり「中子音(ちゅうしいん)を練習しよう!」とか言ってもピンとこないと思いますが、まあ特に気にせず練習していきましょう。
今回の目標
です。今回もしっかり覚えなければなりません。
中子音字9種
まず中子音字は全部で下記の9種類です。
กとอは前回練習したんじゃない?
その通り!
一番左の「 ก (kɔɔ kài) 」と一番右の「 อ (ʔɔɔ ʔàaŋ) 」は、前回練習して覚えたと思いますので、今回覚えるのは残り7文字になります。
という事で今回の目標を正確に言うと
となります。
なるほどね~
中子音字9種の説明
まず中子音字9種を頭子音字として使った場合は下記の赤色の文字が発音記号になります。
要するに下記のような発音記号になるという事です。
ด ⇒d ต ⇒t บ ⇒b ป ⇒p
อ ⇒ʔ
この課では、この9つを覚えていくという事です。
次に中子音9つを全44文字の表からみどり色に色付けしてみました。
今後すべての42字(廃字除く)を覚えていくことになりますが、全42文字の内とりあえず4分の1ほどの子音を覚えるという事になるわけです。
とは言っても見ただけでは覚えられないのでガンガン書いて覚えましょう!この記事でも下の方で練習帳をダウンロードできるようにしています。
長母音字9種と中子音字9種を合わせてみよう!
前回は「ก」と「า」で「กา」→「kaa」、「อ」と「า」で「อา」→「aa」
という風にで中子音字2つと長母音9つの練習をしましたが、今回は中子音9つと長母音9つで練習します。
長母音9つのおさらい
↑ 母音に関しては前回同様長母音9つを使っていきます。
そして子音(中子音)は全部でこの9つです ↑
たとえば「 ต 」と「 -า 」で「 ตา 」→「 taa 」、「 ป 」と「 เ- 」で「 เป 」→「 pee 」
という風になるという事です。
組み合わせとしては9X9で、全部で81通りを覚えるという事になりますね!
注意点。同じ発音の音について
今回は同じ発音の文字が2つあります。
ดとฎはd、ตとฏはt
ですので発音記号「 t 」をタイ語にするという問題の正解は「 ต 」「 ฏ 」の2つになってしまいます。
この場合「d」の音は「ด」を、「t」の音は「ต」を使ってください。
なんで?ฎやฏじゃダメなの?カッコ良いのに
タイ人も発音を表記する時はdの音はดを、tの音はตを使うんだよ。
例えば涅槃仏で有名なワットポーのタイ語版ウィキペディアでの解説を見てみましょう。ワットポーって言うのは俗称で本当はもっと名前があるんですが、この名前にはタイ語の読み仮名が降ってあります。
วัดพระเชตุพนวิมลมังคลาราม (/พระ-เชด-ตุ-พน-วิ-มน-มัง-คะ-ลา-ราม/)
この右側にイタリック書体で書いてあるのが読み仮名です。「ด」や「ต」が使われていますが「ฎ」や「ฏ」は出てきません。
その音を表す際は「ด」や「ต」を使うのです。
なお「ฎ」や「ฏ」はパーリ語やサンスクリット語からの借用語でタイ語になった単語に使う事が多く、タイ語独自の単語には「ด」や「ต」を使います。
また、「ฎ」や「ฏ」の文字を使う単語はあまり多くありません。
中子音9種を覚えるための歌
この中子音9つを覚えるための歌があります。タイ人もこの歌で記憶を補強しているという有名な歌ですので、まあこんな歌もあるんだなという事で一度聞いておきましょう。
01:30の動画で、00:40のところから歌が始まりますが、そもそも中子音(ตัวอักษรกลาง / tuaʔàksɔ̌ɔnklaaŋ)の説明なので全部見ても良いでしょう。
kài cìk dèk taay dèk taay bon pàak ʔòoŋ … どういう、意味?
ニワトリが水がめの口の上で、子供をつついて殺した。って意味で、まあ、そんなシチュエーションはまずないんだけど、中子音を覚えるために生まれた歌なわけなんだよ。
なおฎとฏはどっちがどっちか分からなくなる人もいると思います。私は簡単な方(文字の下側のウネリが1つの文字)の「ฎ」は子音字44文字の表でも先に出てくるので、歌でも先に出てくるdの音と覚えています。dèk taaiの「d」の音の方です。
中子音9種を練習しよう
という事で今回もガンガン書いてもらうために前回と同様、全200問でドリルを作りました。
どうぞダウンロードして印刷して書き込んでください。
今回練習する内容を使った実際の単語
今回練習する組み合わせを使った単語には以下のようなものがあります。
จ + เ – = เจ (cee) ベジタリアンフード、精進料理
ด + – ู = ดู (duu) 見る(動詞)
ต + –า = ตา (taa) 目、(母方の)おじいさん
「 ปี (pii)」という単語は「年」を表し、例えば2020年であれば「ปี 2020」と言います。時を表す単語なので日常会話でも非常に良く出て来る単語です。
「เจ (cee)」ですが、毎年10月ごろ中国由来の10日間ほどの菜食期間があります。その時期はเจと書かれた黄色い旗が食料品売り場やレストランに飾られたり、加工食品にも「เจ」と書かれた黄色いシールが貼られたりして肉製品が使われていない目印になったりします。
ドリルの使い方
タイ文字には発音記号を、発音記号にはタイ文字を、上に出てきた表を見ながら書き込んでください。
思い出せないところや分からないところは、空白のままで進むのではなく、発音記号の表を答えを見ながら正解を埋めながら進んでください。
タイ文字に直すときのdの音はดを、tの音はตを使ってください。
ここで完璧にする必要はありません。次以降も復習を兼ねて同じ問題を出して、実際に書き込んでいく過程で記憶が定着するように進めていきます。
練習編→ 5_renshu_chushiin9_v23 (145KB)
解答編→ 5_kaitou_chushiin9_v24 (151KB)
お願い事項
タイスタの練習問題は「だいさん」が個人で作成しており、間違いは見つけ次第すぐに修正して更新しておりますが、間違いではないかと疑問がありました際は、当ページ下部のコメント欄、フェイスブックページ、もしくはツイッターでご連絡いただけますと幸甚です。
その他、ユーチューブチャンネルへのコメントなども非常に励みとなりますので、遠慮なくお送りください。
ご協力よろしくお願いいたします。
次は声調符号を練習していきましょう
如何でしたでしょうか?今回の目標
は達成できたでしょうか?
まだまだタイ語の看板を見ても、読むのはむつかしいと思いますが、なじみになった文字も出てきているはずです。
先はまだ長いですが、コツコツ頑張りましょう。
次回は声調符号ですが、タイ文字の上につく4つのマークがどういう物かが分かるようになるということです。
お楽しみに!
以上、「5. 中子音字9種とその発音記号を覚えよう」でした。